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世界では当たり前のSMS相互接続がようやくスタート

 あまり話題になっておらず、知らない方が大半なのが寂しい限りなのですが、じつは7月13日からSMS(ショートメッセージサービス)が通信キャリアを超えて相互に送受信できるようになりました。日本では長らく、ショートメッセージは同じ通信キャリアのケータイ同士では送れないものとされてきましたが、これからは電話番号さえ分かっていれば、どの通信キャリアのケータイ宛にもメッセージを送れるようになります。(auはCメールというサービス名称です)

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<auはCメールという名称のまま。写真は7月13日後の明細内容。
「Cメール(他社向け)」という項目が追加された。(友人の宮村氏より拝借)>

 わが国では、比較的早い時期からケータイにショートメッセージ機能が搭載されてきました。1996年春には関西セルラー(現在のau)で留守番電話機能の拡張で文字メッセージを預かるサービスが開始されました。さらに同年にはPHSでもショートメッセージ機能の搭載が開始されました。翌1997年には、NTTドコモが203シリーズを発売開始しショートメールサービスをスタートさせたことで、「ケータイでメールする」ということが本格的なものになっていきます。当時は女子高生たちがポケベルをコミュニケーション手段にしていた時代で、こうしたポケベルユーザーをケータイに移行させようというのが携帯各社の狙いだったわけです。

 ところが、各通信キャリアとも、ショートメッセージサービスに独自の機能拡張を図っていき、これを顧客の囲い込み手段としようと目論んだため、SMSに関しては互換性の無いサービスが長らく続くことに。

 一方、欧州では各国で利用されていったGSM方式の携帯電話の標準機能としてSMS機能が考案されました。もともとSIMロックも無く、各通信キャリアで利用されることが前提のGSM方式携帯電話でしたので、SMSも通信キャリアに関係なく、相互に送受信できるというのが前提でした。

 日本でもケータイが広く普及してくると、通信キャリアを超えてメールができない不都合を解消してほしいというニーズは高まっていったのですが、日本の場合はこれを「Eメール」で解決してしまいました。同じ通信キャリアのケータイ同士だけでなく、パソコンともメールの送受信ができるという発想で、回線ごとにEメールアドレスを付与し、インターネット経由でメッセージが送受信できる機能へと発展していきました。そしてこのEメールを通じて、パソコンだけでなく、異なる通信キャリアのケータイ同士でもお互いにメッセージのやり取りが可能となり、SMSの存在さえ忘れ去られた感がありました。

 しかし、ケータイのEメールには2点ほどデメリットがあります。

 1つ目は、パソコンと相互にメールの送受信ができるのは便利な一方で、迷惑メールの温床にもなりやすいということ(SMSでも迷惑メールが無いわけではないですが)。各通信キャリアとも迷惑メール対策を様々な形で提供していますので、迷惑メール被害は少なくなっていますが、一方でドメイン指定受信やパソコンメールの拒否などを利用するユーザーが増えたので、いざというときにパソコンからケータイ宛にメールを送れなくて不便を感じている方もいらっしゃるのでは?

 もう1つは、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)などを利用して電話番号そのままに他の通信キャリアに乗り換えてしまう場合、メールアドレスが変わってしまうこと。最近、ケータイメールが通じなくなった友人が増えたと思ったら、案外このパターンで他の通信キャリアに乗り換えたために連絡ができなくなるというケースが多いんですね。

 電話番号は分かっているのに、メッセージが送れない! そんな不満がSMSによって一気に解消されたわけです。送受信できるメッセージの文字数は70文字程度ですが、メールアドレスが分からなくてもメッセージを送れるこの便利さは計り知れないものがありますよ!

 なお、これまでEメールの送受信にかかる通信料はパケット定額を利用しているユーザーにとっては定額の範囲内でしたので気にならなかったと思いますが、SMSの場合は各通信キャリアが定める送信料が発生しますのでご注意を。Eメールと異なり、SMSの受信は無料です。また、SMSを利用するためには、アドレス帳の電話番号の整理もますます重要になるでしょう。そんな時にはアドレス帳バックアップソフト『携帯マスター NX6』のご愛顧をよろしくお願いします。

プロフィール

1967年東京都生まれ。携帯電話研究家、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授。多数の携帯電話情報メディアの立ち上げや執筆に関わってきた。ケータイコレクターとしても名高く保有台数は1000台以上。近著に『図解入門業界研究 最新携帯電話業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など。HPはこちら

木暮祐一オフィシャルサイト